ゼロをめざすには1

『「殺処分ゼロ」の定義』の日記から、

ずいぶん日が経ってしまいました。

 

多くの人が関心を寄せている問題なのだと

改めて感じました。

 

今後は、

私が現状について知る限りのことを

少しずつ書いていきます。

 

今までこの問題のことを、

考えたことがなかった、

聞いたことはあるけどよく知らない、

そういう方々に向けて書いていこうと思います。

 


 

高知県の犬猫の殺処分頭数。

私が高知に越してきた10年前に比べ、

犬の処分頭数は格段に減りました。

 

猫の処分頭数も

増減の面で言えば非常に減ってはいるのですが、

犬の数には遠く及ばず、

数千頭という単位で推移しています。

参考:高知県の犬猫の殺処分頭数
H16年度 犬2,882頭 猫5,969頭
H26年度 犬 218頭 猫3,140頭

都道府県別人口1人当たりの殺処分頭数、10年連続のワースト1。

( 頭数の単純比較ではワースト1ではないです。

しかし不名誉なことには変わりありません。)

その高知県の処分頭数を押し上げているのは、

猫の処分頭数であり、

その内訳のほとんどは生まれたばかりの子猫です。

 

 

一頭ずつと向き合うと

すべての子の命を助けてあげたくなるのが人情だと思います。

 

センターの職員さんを責めるような言動を見聞きすることがあります。

 

しかし今センターで殺処分をやめるとどうなるでしょう。

 

行き場のない子たちを生かすためには、

水、餌、スペースがいります。

排泄や散歩を含む世話も必要です。

 

あとからあとから犬猫が連れてこられると、

どんどん一頭に割り当てることのできるスペースが少なくなっていきます。

どんどんお金がかかります。

手間もかかります。

敷地は限られています。

お金も限られています。

職員さんの手も限られています。

 

つまり、

次々に持ち込まれる子たちがいる限り、

センターですべての子を救ってあげることは、

不可能なのです。

 

センターの職員の方たちも

飼い主さん自身で持ち込まれた時には

専門家にしつけ相談をすることや里親探しをすることを助言したり、

また、預かった子達のうち、

譲渡に適している子たちについては

限られた数になりますが譲渡対象として、

お世話をしながら里親探しの情報発信をしたりするなど、

むやみに命を奪わないで済むよう、努力をしています。

 

 

殺処分される数を減らしたいと思えば、

持ち込まれる数を減らす必要があります。

今まさに処分されようとしている命を救うことができたとしても、

新たに持ち込まれることが続けば、

いたちごっことなります。

 

本気で理不尽な死をなくそうと思うのであれば、

今処分されようとしている子達だけに目を向けていては、

十分ではないのです。

 

では、持ち込まれる理由というのはどんなものでしょう。

 

この話は次回にしたいと思います。