ゼロをめざすには9

さて、久々でございます。

犬猫の殺処分ゼロにまつわる話。

 

今回からしばらくは、猫について。

 

今回は、

猫の殺処分頭数が多いのはなぜなのか?

できることはなんだろう?と

かつてわからないながら考えてみた、

私の頭の中の話。


 

数年前の私。

高知県の動物愛護推進員になり(今、3期、8年目だったかな)、

研修資料で殺処分頭数の内訳や変遷などを知り、

犬の処分頭数は、

このままいけばもっと減っていくのではないかと希望を持った。

 

その時点でも、数年さかのぼった数字に比べ、

ずっと下がってきていたからだ。

 

 

犬は、放し飼いをしてはいけない。

放浪している犬は捕獲され、管理センターに保護、抑留される。

一定の抑留期間を過ぎても飼い主が現れなけば、殺処分される。

 

現在、賛否両論があるが

この制度のおかげで、

日本は狂犬病の清浄国となった。

野犬の存在による危険な目に遭遇したり

怖い思いをしないで済む人たちが、日本では大多数。

 

(前にも書きましたけど、

高知に来て「野犬」という言葉を聞いて耳を疑い、

さらに山に普通?にいると知って、本当に驚いた)

 

それから、

犬を飼う時、登録と狂犬病予防接種が義務付けられていること。

 

それらが下地になって、

そこに室内飼いや避妊去勢が普及することにより、

飼い犬では望まれない繁殖が減り、

いらない命として管理センターに持ち込まれ、

処分されてしまう頭数が圧倒的に減った。

 

 

一方、猫。

 

減っているとはいえ。

殺処分頭数は、犬と比べるとケタ違い。

(2005年度県内殺処分数犬2430頭、猫6196匹。

2015年度犬103匹、猫1717匹。)

 

 

犬のようにつながれることが義務付けられていない。

 

犬のような、飼い猫登録を義務付ける制度もない。

 

哺乳動物なので狂犬病に感染するし、

ひっかくだけでなく咬む動物だけれど、

狂犬病予防接種の義務もない。

 

(余談ですが、

 

犬だけが予防接種の対象なのは、

犬だけをある一定以上の割合で予防接種できていれば、

人への感染の防御としては十分ということだそうです。

ただし。

長年国内で発生がなく、危機感が薄れていることが大きいでしょう、

近年保たれるべき接種率を下回っていると思われ、

今海外から狂犬病感染動物が入ってくれば、

感染が一気に広がってしまう可能性が危惧されています。

 

話を元に戻します。)

 

飼い主のいない野良猫と呼ばれる子たちが存在し、

飼い猫であっても、

外と行き来するのが自由だったり、

場合によっては餌だけ与え、外で飼っているケースもある。

 

外にいるから飼い主がいない、迷子だとは言いきれず、

勝手に捕獲し処分したり手術するということが、行政にはできない。

 

長く猫を飼っている人の中にも

完全室内飼いの方が猫にとって安全なのが頭でわかっていても

外に出れないのはかわいそうだと感じる人がいるくらい、

飼い猫が外を行き来することは猫らしく生きることに欠かせない、

そのような意識が根強く定着している。

 

とにかく猫に関しては、

人知れず繁殖する機会を防ぐことが難しい状態。

 

ここに、

1年で2~4回の出産が可能で、

1回の出産で平均3~6匹生まれることから

『1匹の雌猫から1年で128匹に増える』と表現される、

猫の繁殖力の強さがあいまって、

大変な勢いで増えてしまう・・・。

 

 

さて、数年前の私の頭の中。

 

犬と猫の殺処分数のちがいについて確認し、

「本気で猫の殺処分数を減らそうと思えば、どうしたらいいのだろう?」と

着実に減ってきた「犬」を参考にして、

できることを考えてみた。

 

 

1.飼い猫は、完全室内飼いにする。

(外でつないで飼うのはあり得ないですね。

そういえばお友達のJさんが、

「アレルギーだから、外で小屋を作って飼ってる」って言ってたなぁ。)

 

2.多頭飼いの場合はもちろん、単独飼育でも脱走する可能性を考え、

ブリーダーさんなど繁殖をすることが決まっている個体以外は、

避妊去勢手術をするべき。

 

では、野良さんたちはどうするか?

 

『飼い猫が外にいない状況を作って、野良猫に避妊去勢手術をすること』

を考えてみた。

 

①『決まった期日に外にいる猫を一斉に捕獲し、避妊去勢手術を施す』と、

事前に広報して伝達し、飼い猫は外にはいない状態にする。

② 事前に広報したにもかかわらず外に出たままの飼い猫も含め、

外にいる猫を捕獲し、避妊去勢手術を行う。

 

犬と同じようにと考えて、

飼い猫と野良猫を区別するのに、登録することにも思い至ったが、

外に出ていくイメージで鑑札をつけることを想像したのだろうか、

それは難しそうだと「いやいや・・・」と打ち消した覚えがある。

(飼い猫でも捕まえられない子がいたりしますしね・・・)

 

それよりも上記のようなことの方が比較的実行可能な気がした。

 

私にしては(笑)きちんと物が考えられた気がしたが、

行政が実行するには難しいようだった。

(県職の担当の方とお話ししてて、

「いや~・・・」ってリアクションだったんじゃなかったかな)

 

 

それから、

研修や、県職さんや先輩方とお話しして確認したことがもうひとつ。

野良猫さんにまつわる困ったことがあるとのことだった。

 


つづきは次回に。

 

飼い猫は完全室内飼い。

実はこれを当たり前にしていくのが、かなりの難関なのだと感じる。

啓発や教育だけでは大変な時間がかかると思う。

 

完全室内飼いであっても、

きちんと配慮、工夫をすれば、

猫は猫らしく行動し、幸せに生きることができるし、

なにより安全であり、

外で会うであろう危険から守ってあげることができると、

専門家も完全室内飼いを推奨している。

・・・のですが。

 

法律を作り、行政が介入し、

外で飼うことに罰則規定やデメリットが生じないことには、

(『安全じゃない』って、十分デメリットだと思うんですけどね)

急激に変化することはできないんじゃないかなあと感じます。

 

ではまた。

 

ここに書いていることは、

詳しい方にはなんでもないお話だと思います。

 

知らなかった人、考えたことのなかった人の情報になりうるよう、

頑張ります。