ゼロをめざすには10  

「ゼロをめざすには9」のつづきです。

猫のお話が続きます。

野良猫の問題としてあげられることがもう一つある、

というところで前回は話を終えました。

 


 

それから研修で確認したことがもうひとつ。

野良猫さんにまつわる困ったことがあるとのことだった。

 

「餌やりさん」の存在。

 

野良猫は環境の過酷さから、得てして短命。

当然栄養状態はよくない。

栄養状態が悪ければ、猫は繁殖することはできない。

 

そこに、

目の前の猫がひもじい思いをしているのが「かわいそう」と思う、

でも飼ってやることはできないので、

野良猫にエサだけを与える人が現れる。

 

それが「餌やりさん」。

心の優しさからくる行い、のはずだが、何が問題なのか。

 

自分の家の敷地内でエサを与え、

そこに猫が集まり、そこで排泄をし、

・・・というのであれば、まだ、ましかもしれない。

 

公共の場など特定の場所でエサをまく。

そこをエサ場と心得た猫が集まるようになる。

その周辺に排泄をし、悪臭を放ち、不衛生になる。

 

それを誰も片付けない。

 

エサ場の近くの庭や畑などが荒らされ、排泄されることにより、花や作物がダメになる。

他にも外に置いてあるものに猫がいたずらをされるなど、被害が出る。

 

そのため、餌やりさんと被害にあっている近隣の住人との争いがおこる。

 

エサをやるな!お前のせいで猫が増えて、こちらが迷惑してるんだ!

と住人に詰め寄られる。

 

ごめんなさいと謝る餌やりさんは、一時自粛したとしても、

時間をずらしたり場所をずらしたりしてやり続けるようです。

 

観光地にトラックで現れ、エサをまくだけまいて、

逃げるように去るケースもあると聞きます。

 

とがめられても、エサをやって何が悪い!とやりあうことになるケースも。

 

結局、やめろと言われても、餌やりをやめることはないようです。

 

 

では、これが望まれない命が生まれてしまうことと、どう関係するのか。

 

極限の飢餓状態であれば、繁殖はできません。

 

餌やりさんにご飯をもらっていたとしても、

栄養状態がよくなるかといえばそうとは言えず。

(都会の方などでは、いくつかの餌場を行き来し、

とても贅沢になっている猫もいるともききましたが…)

 

しかし、ぎりぎりでも繁殖可能な栄養を得られれば、

猫は繁殖してしまうのだそうです。

ひもじい思いをしていても。

 

ちなみに、

栄養状態のよくない母猫から生まれた子猫は、

不安が強く怖がりだったり、攻撃性が強くなったりして、

そういう子を保護して飼おうと思っても、うまくいきにくいようです。

だから単純に、飼ってやればいいじゃないか、とはいかないようです。

 

餌だけやって、

猫による近隣でのトラブルや、猫が増えてしまうこと、そして、
野良さんたちもやはり安全なおうちを必要としていることについては考えが至らない。

至っても目と耳をふさいでしまう。

やはりそれでは自己満足といわれても仕方がないのかもしれません。

 


猫のお話、まだ続けます。
(11/10ちょっぴり加筆しました)