ゼロをめざすには2

ゼロをめざすには1」の続きになります。

 

「次回はセンターに犬を持ち込む飼い主さんの理由について書く」

とお約束していました。

 

今回は犬についてお話ししていきます。


 

  • 吠えが近所迷惑といわれてしまうほどひどくなった
  • 飼い主を出血するほど強く咬むようになった
  • 他人を咬んでけがをさせた

 

飼い続けるのが困難になった状況として、ほとんどの方が理解できる理由だと思います。

ただ、その大半は飼い主の飼い方次第で防げたケースと考えられます。

 

このようなことにならないためにも、

適切な飼い方と適切なしつけの方法を、

できれば飼い始める前に、

飼い主さんが学んでおくことがとても大切になります。

 

そして、

気になる行動が出始めたら、

深刻になる前に専門家に相談すべきでしょう。

 

 

犬のことについて学ぶのは、飼い主さんの義務です。

 

犬とはどんな動物で、

どんなお世話が必要なのか?

どんな生活をさせてあげると穏やかでいられるのか?

この犬はどんな性格で、

どんな付き合い方をしたら穏やかでいられるのか?

 

適切な飼い方ができていれば、

問題行動といわれるものはそうそう出るものではないのです。

 

とりわけ咬みつきに関しては、飼い主さんの

『犬は怒鳴ったり叩いたり押さえつけたりしてしつけるもの』

という考え方が関係していることが多いようです。

 

この辺のお話はまた別の機会にさせていただきたいと思います。

 

 

その他に

 

  • 引っ越しをする先で飼えないから
  • 病気をし、入院することになったため、世話ができなくなった(主に高齢の方)
  • 子供が犬アレルギーを発症
  • 犬が病気になったから
  • 子犬の時は可愛かったけど…
  • こんなに大きくなると思わなかった

・・・・・・

 

飼う前に、

終生飼養、つまり、最期の時まで面倒を見る、

そのことについてきちんと考えたのかが問われる理由ばかりです。

 

子犬はいつか成犬になります。

子犬のままではいられません。

成犬になった時の体の大きさが、予測通りになるとは限りません。

 

飼い始めてしばらくしないと見えてこないこともたくさんあります。

 

ぬいぐるみではないので、

性格があります。感情があります。

食事をし、排泄をします。

病気やけがをすれば動物病院に連れて行くことになるでしょう。

お金がかかります。

一生のうちに車が一台買えるほどのお金が必要になるといわれています。

 

 

前の子でうまくいったことが新しく迎えた子にはあてはまらないということもあります。

思い通りにいかないことはたくさんあります。

それでも、迎えたからには責任をもって最後まで面倒を見る。

そう言える人だけが、『飼い主』になってほしい。

そう思います。

 

 

特に若い人は、この先様々なライブイベントがあります。

学生さんなら就職、結婚、出産・・・

仕事を始めれば転勤がある人もいるでしょう。

ペットを飼える物件はまだまだ限られているでしょう。

 

『今後できる恋人が犬や猫が嫌いと言ったら』

そのような場面を想像してみた時に

手放すかもしれないという可能性が頭をよぎるのであれば、

初めから飼うべきではないでしょう。

 

高齢の方、一人暮らしの方は、

いざという時に愛犬をお願いできる人、

協力をお願いできる人を探しておくことが大切だと考えます。

 

 

高齢のために手放すことになった人が多いことから、現在、

高齢の方は新たに動物をペットとして迎えるべきではないという意見が大勢です。

譲渡に年齢制限を設けているセンターや保護施設も多いです。

(この件には思うところがあります。別の機会に触れたいと思います。)

 

 

いろいろ手を尽くしてもどうにもならないこともあるでしょう。

 

その場合も、

殺処分を依頼するのではなく、

自分の手で里親さんを探してほしいものです。

(その可能性を考えても、

どこに行っても困らないように最低限のしつけをしてあげることは、

ワンちゃんへの大きなプレゼントになります。)

 

 

実際に犬を迎える前に、

最期まで飼い続ける覚悟を持てるか、

何が起きてもその子の命に責任を持てるのか、

一度考える時間を持っていただけたらと思います。

 

 

そのような時間を持たなくてもそれが当たり前と思える方ばかりなら、

(そうあってほしくはないのですが)

たとえ衝動的に飼い始めても

最終的には落ち着くべきところに落ち着くのかもしれませんが・・・。

 

最期まで責任を持って飼う。

それを社会の当たり前にする必要があると感じます。

 

犬のことを知り、彼らが幸せに生活できるように心掛ける。

 

どんなことがあっても最後までその子の命に責任をもつ。

 

これが全ての飼い主さんにとって当たり前になれば、

『蛇口が締められる』、

つまり、

殺処分をするために持ち込まれる件数を減らすことができるはずです。

 

蛇口を閉めなければ、殺処分ゼロはあり得ないでしょう。

 

 


次回は、猫の持ち込み理由と殺処分数について書きます。