ゼロをめざすには3

前回の「ゼロをめざすには2」は飼い主が犬を持ち込む理由についてでしたが、

今回は主に猫についてお話ししたいと思います。

前回触れたケース以外の、

センターに保護されたり持ち込まれる犬についても、

絡めて書いていきます。

 


 

猫は犬と違い、

逃げてしまわないように敷地の囲いの中で飼う、

あるいはつないで飼うことが

飼い主に義務付けられていません。

 

 

犬はつないで飼うことを義務付けられているので、

交尾をする機会が制限され、

いらないといわれてしまう命が

猫のように爆発的に生まれてしまうことはありません。

 

また、前回は触れませんでしたが、

放浪していて保護され、センターに収容される犬がいます。

その中には無責任な飼い主によって捨てられてしまった犬もいると思われます。

 

つながれていない犬は、迷子か、飼い主のいない犬とみなされ、

狂犬病予防法に基づき捕獲され、

センターにて収容後5日の係留ののち、

飼い主が見つからなければ殺処分されてしまいます。

飼い主が探しているかもしれない、迷子の犬であってもです。

(ですから、飼い主さんは犬がいなくなったら

速やかにセンターを含めた各関係部署に連絡を入れてください!!

 

殺処分は悲しいことですが、

このようなシステムが、野犬がひどく増えてしまうことを防いでいます。

 

 

飼い猫はつないで飼うことや室内飼いは義務づけられていません。

 

飼い猫でも家の中と外とを自由に行き来することを許されている子もいます。

飼うことにしたけれど元々野良猫さんで室内飼いするのが難しく、

ご飯はあげているけどずっと外にいるという子もいるでしょう。

 

そのような事情があるため、センターや保健所の職員は、

外で自由に行動している猫を、

野犬や迷子犬のように捕まえて保護するわけにはいきません。

 

そのためセンターで殺処分される成猫は、

飼い主が連れてきた場合に限られます。

 

子猫については、

飼い猫が子猫を生んで飼い主が持ち込む場合と、

自宅の敷地などに産み落とされていた、あるいは明らかに捨てられているのを見つけられた、

明らかに誰かに飼われていない状態の子猫を飼い主以外の人が持ち込む場合があります。

 

飼い猫が飼い主の望まない妊娠をして子猫を生むのは、

室内飼いだけど不妊(避妊・去勢)手術をしていない雄と雌を多頭飼いしている場合、

あるいは自由に出入りできる、不妊処置をしていない雌であると考えられます。

 

飼い猫だけど自由に出入りする去勢していない雄猫は、

もしかしたらどこかの雌猫さんを妊娠させているかもしれません。

その子猫たちは、飼い主さんの知らないところで、

いらない命としてセンターに持ち込まれているかもしれません。

 

いらないといわれ、処分されてしまうかわいそうな命を増やさないために、

猫の飼い主さんはぜひ、室内飼育の徹底と、

雄も雌も不妊手術を受けさせることを考えていただきたいです。

 

 

前回触れなかった、子犬のセンターへの持ち込みもやはり、

飼い犬が望まぬ妊娠をし出産したことが理由になります。

外飼いの雌犬のもとに放浪した未去勢の雄犬がかかってしまうケースもありますし、

雌雄混合の多頭飼いであるにも関わらず不妊処置をしていないケースもあります。

室内飼いであっても飼い主の想像しなかった状況での事故のようなケースもあります。

 

不妊手術のメリット・デメリットについてはここでは書きませんが、

殺処分ゼロをめざすためには、

犬猫ともに、不妊手術を受けさせることは大切な要件になります。

 

子をとることを予定しない飼い犬には不妊手術を受けさせる。

雄も雌も、室内飼いであっても、

飼い主さんには犬を飼う時に必ず検討していただきたいです。

 

また、高知県には野犬がおります。

法律上捕獲し処分しなくてはならない存在ですが、

殺処分される命を減らすという観点からも、

彼らをどうするかについても考えなくてはいけません。



話を猫に戻します。

 

平成10年度~24年度の殺処分された猫の統計をみると、

その内訳は、

飼い主が持ち込んだ成猫、

飼い主が持ち込んだ子猫、

飼い主以外が持ち込んだ離乳前の子猫   に分類されています。

 

それぞれの数値の推移をたどると、

飼い主が持ち込む猫の数が徐々に減っています。

ペットに対する意識の変化や様々な情報の周知から、

飼い猫を完全室内飼いし、最期まで大切に飼う飼い主さんが増えた、

飼い猫に不妊処置をする飼い主さんが増えたためだと考えられます。

 

いらないといわれる命が減っているというのは、

本当にうれしいことです。

 

その中で、近年減ってはいるけれど

H12年度~24年度、2千~3千の範囲内で推移しているのが、

飼い主以外の子猫の持ち込みです。

 

この子猫たちは

野良猫のお母さんから生まれたかもしれないし、

飼い猫のお母さんから生まれたけれど捨てられたのかもしれません。

 

この数字の大きさが、

高知県の犬猫の殺処分頭数を押し上げています。

 

ここをなんとかしなくては、

殺処分ゼロはあり得ません。

全国ワースト(人口比)脱出も、かないません。

 


 

続きはまた次回にしたいと思います。

 

ところどころで細かい話に触れ、脱線したくなりますが、

なんとかこらえて「殺処分ゼロをめざして」という観点にしぼって書いています。