ゼロをめざすには4

何らかの事情で犬を飼えなくなった時、

センターに「処分してください」と 持ち込む飼い主は、

ある意味、飼い主の自覚があると言えるのかもしれません。

 

一番やってはいけないのは、捨てること。

 

もしかしたら、

「もう飼えない(飼いたくない)けど殺すのはしのびない。

放せば誰かいい人にもらってもらえるかも知れない。」

という考えから放す人がいるかも知れません。

 

でも死なせたくないのなら、自分で里親を探す努力をすべきです。

どんな言い訳をしても、飼い主としての責任を放棄したということに違いないです。

 

放浪している間の不安、ひもじさ。

空腹でゴミをあさるなどして痛い目にあわされるかもしれません。

動物虐待の標的にされるかもしれません。

結局は放浪犬としてセンターに収容され、処分を待つ身になる可能性が高いでしょう。

 

捨てられて余分なつらい目にあわせること、他人に迷惑をかける可能性を考えれば、

センターに殺処分を申し込む方が犬にとってはまだましなのかもしれない。

「ある意味、飼い主の自覚があると言えるかも」とは、そういう考えからです。

 

放された犬は、当然飼い主持ち込みにはカウントされません。

放浪犬として収容された中には、いらなくなって捨てられた犬もいると考えられます。

 

 

 

持ち込みにしろ、遺棄(捨てること)にしろ、

殺処分をされる犬をなくそうと思ったら、

それをするなというだけでなく、

そこに至らないようにすることが必要です。

 

飼う前に

手間、時間、費用的なものなどを考慮しても

きちんと最後まで飼うことができるのかを自分に問わなくてはいけません。

何があっても終生飼い続けることを決心し、守る自信がないならば、

初めから飼うべきではありません。

 

自分の生活(例えば住む場所、生活スタイル、家族…)はこの先ずっと変わらないのか、

変わっても飼い続けることができるのか、

あるいは誰かに助けてもらうことができるのかも含めて検討すべきなのです。

そこまで考えて飼う人は、そんなに多くないかもしれません。

 

飼うのであれば、

十分な世話としつけをし、マナーを守る。

終生飼い続ける。絶対に捨てない。

 

誤った、あるいは偏ったしつけの方法を取り入れることによって、

飼い続けることが困難な犬に育ててしまうことがあります。

そのため、犬のこと、扱い方、飼い方を正しく学び、理解することもとても大切です。

 

安易に飼わない。

飼い始めてからは飼い主の責任を全うする。

正しい知識を持つ。

 

これらは殺処分ゼロに限りなく近づけるためにとても大切なことです。

この意識の周知が、センターに持ち込まれる・収容される犬の数を減らすことにつながります。

 

 

 

よく殺処分の問題は、水道の蛇口から出る水に例えられます。

 

センターに持ち込まれ、殺処分を待つ身となった犬たちは、水道から出る水に、

センターに持ち込まれた動物を引き出して飼う、あるいは里親を探すという活動は、

蛇口から出る水を受ける、すくうといったことに例えられます。

こぼれた水は、殺処分されてしまった動物たちということになるでしょうか…。

 

目の前の殺される寸前の子たちを救いたい!

そう願って必死に保護活動をされている方たちがいます。

 

でも、水がずっと出続けていたら、いつまでも水をすくい続けなければいけない。

 

殺処分頭数を減らす、ゼロにするというのであれば、水を受けるだけでは十分ではない。

 

蛇口を閉める必要があります。

 

その蛇口を閉めることに相当するのが、

  • 安易に飼わない。
  • 飼い始めてからは飼い主の責任を全うする。
  • 正しい知識を持つ。

ということなのです。

 

ゼロを目指すなら、蛇口を閉めることが、必要なのです。